おねしょの原因はここにある
「おねしょ」に悩んでいる人は少なくありません。
子育て中の親御さんの中には「なんでうちの子だけ」と子どものおねしょに悩んだり、毎日のおもらしにイライラしている人もいるでしょう。
また、おねしょは子どもに限ったことではなく、大人でもおねしょの症状が出ることがあります。
ですが、心配することはありません。おねしょは治ります。
「おねしょ」について正しい知識を持ち、「おねしょ」の壁を乗り越えましょう。
おねしょの原因 おねしょはなぜ起きる?
「おねしょ」とは、夜眠っている間に無意識に排尿してしまうことです。 そのほかにも
これは睡眠中につくられる尿量が尿をためる膀胱の大きさ(膀胱容量)よりも多くなり、尿が漏れてしまうことが原因です。
排尿のメカニズム
尿はどのように排出されるのでしょうか?
排尿には膀胱に尿をためる「蓄尿」と膀胱から尿道を通り尿を排出させる「尿排出(排尿)」の2つの機能から成り立ち、排尿中枢によりコントロールされています。
蓄尿する時は膀胱を拡大し、尿道を弛緩させます。
逆に、排尿する時は膀胱を縮小し、尿道を弛緩させます。
膀胱を拡大・縮小させる膀胱排尿筋と尿道を弛緩・収縮させる内尿道括約筋は自律神経によって支配される不随筋なので、膀胱に一定の尿量がたまると反射的に膀胱排尿筋が収縮し、内尿道括約筋が弛緩して排尿を促します。これを排尿反射といいます。
膀胱に尿がたまると、軽い尿意を感じ、排尿反射により排尿が促されますが、初期の状態ではまだ膀胱に余裕があるので、意識的に排尿を抑制することができます。
意識的に抑制する場合は、大脳が「排尿をがまんする」と命令を下し、排尿中枢によって膀胱に尿がたまるように膀胱排尿筋を弛緩させ、尿が漏れないように内尿道括約筋を収縮させます。
また、随意筋である外尿道括約筋は自分の意志で制御できるので、尿意を感じてからもしばらくの間は排尿を抑制することができます。
しかし、いくら自分の意志で排尿を制御していても、一定量以上の尿が膀胱にたまると反射的に排尿されます。
乳幼児は排尿のメカニズムが未完成なので、膀胱に尿がたまると反射的に排尿します。排尿の抑制ができるようになるのは3歳頃からで、自分の意志で排尿を制御できるようになるのは4?5歳頃とされています。
尿量はどうやって決まる?
抗利尿ホルモンは腎臓での水分再吸収をコントロールすることにより循環血液量や血漿浸透圧を維持する役割があり、利尿を妨げる働きをします。脱水症状になると、抗利尿ホルモンの分泌量が増え、尿量が少なくなります。
逆に、水をたくさん飲むと抗利尿ホルモンの分泌量は抑えられ、尿量が増えます。
夜間は抗利尿ホルモンが多く分泌されるため、寝ている間につくられる尿は濃くて少量です。
しかし、乳幼児期は抗利尿ホルモンの分泌量が少なく、夜でも昼間と同じように薄い尿をたくさんつくります。そのため、尿量が膀胱容量を超えてしまい、反射的に排尿してしまいます。
膀胱は大きくなるの?
では、膀胱が大きければおねしょしなくなるのではないでしょうか。 乳幼児期の膀胱は発展途上のため、とても小さいです。大人の平均膀胱容量が500mlであるのに対し、6歳児の膀胱容量は150ml程度で、8歳を超えると250ml程度まで大きくなります。
夜間は昼間の1.5?2倍の尿をためることができると言われ、一般的に夜間の尿量は200ccとされています。 ?
おねしょは膀胱や排尿中枢などの排尿器官の成長、抗利尿ホルモンの正常な分泌により解消されるので、年齢とともに自立していきます。