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夜尿症の治療 その2

夜尿症の対策や治療法は、生活指導、行動療法、薬物治療の3つがありますが、生活指導や行動療法では夜尿の改善が見られない場合、薬物治療も検討します。場合によっては、生活指導や行動療法との併用になることもあります。

 

薬物治療

お薬

 

夜尿症に対する薬物療法には、三環系抗うつ剤、抗コリン剤、抗利尿ホルモン剤などが挙げられます。どの薬物でも夜尿が消失した場合、一定期間は同剤、同量の投薬治療を継続し、その後減量、中止をしていきます。

 

三環系抗うつ剤

三環系抗うつ剤にはアナフラニール、トフラニール、トリプタノールなどがあります。尿意覚醒を促進する作用、抗コリン作用、尿意減少作用、膀胱を拡大する作用などがあります。 治療法は初回投与量は10mgとして夕食後あるいは就寝前に投与を始めます。効果が不十分な場合は、体重25kg未満は20mg、体重25kg以上は25mg〜30mgに増量し、治療開始後2週間から2ヶ月で全く反応が見られない場合は中止にするか、他の治療法と併用するようにします。
副作用として食欲不振、嘔吐、不眠、眠気などがあります。

 

副作用が出た場合は、ただちに服用を中止します。また、血液障害や肝障害を引き起こしたり、てんかん発作を誘発することがあるため、薬物使用の前には既往歴を確認する必要があります。また、投薬中には定期的に副作用の有無を確認し、肝機能や腎機能障害、血液検査で異常がないかチェックする必要があります。



抗利尿ホルモン剤

錠剤タイプのミニリンメルトと点鼻薬であるデスモプレシンがあります。腎臓における水分の再吸収を促進し、尿を濃縮して尿量を減少させる薬です。夜間の抗利尿ホルモンの分泌が少なく、うすい尿がたまる多尿タイプの夜尿症に向いています。 治療法は1日1回就寝前にミニリンメルトを120μgから経口服用し、効果が不十分な時は1日1回就寝前に240μgに増量します。

 

また、点鼻薬を使用する場合は、1日に1回就寝前にデスモプレシンを左右どちらかの鼻腔へ1回噴霧します。効果が不十分な時は左右両方の鼻腔に各1回ずつ噴霧します。

 

効果が見られた場合は3ヶ月前後は治療を継続し、その後治療を1〜2週間休止して夜尿状況を観察します。その後投薬の継続、減量もしくは中止を検討します。
副作用として水を飲み過ぎると水中毒になる危険があるので、夕食時を含めた就寝3時間前からの水分摂取の制限が重要です。薬剤投与の前に240ml以上の水分を摂取した時は、投与を控えます。水中毒防止のために、頭痛、嘔吐、顔色不良などの前駆症状のチェック、定期的な結成ナトリウムや血漿浸透圧を調べることが望まれます。

 

 

抗コリン剤

抗コリン剤にはポラキス、バップフォーがあります。抗コリン作用および平滑筋直接作用によって、膀胱を収縮させる副交換神経を抑え、膀胱の平滑筋を緩め、排尿運動抑制作用を発揮し、膀胱容量の増加、膀胱の無抑制収縮を減少させます。 治療法は夕食後もしくは就寝前にポラキスを2〜3mg、バップフォーを10mg投与します。治療後1?2ヶ月経っても効果が見られないようであれば、中止もしくは他の治療法との併用に移行します。本来は大人用の頻尿治療薬で、小児には向いていません。
副作用として口の渇きや便秘、眠気などがあります。

 

 

漢方薬

漢方薬

 

夜尿症を抑える薬ではなく、ある程度の期間をかけて原因となっている状態を改善するための薬です。膀胱の筋肉の緊張が強すぎる、外尿道括約筋が弱い、脊髄反射が鈍い、中枢反応が鈍い、冷え性体質などのタイプに分けて、どの漢方薬が適しているか選択します。

 

 

小建中湯

子どもの夜尿症によく処方されます。胃腸を強くし、虚弱体質を改善し、不快症状を改善する働きがあります。胃腸の調子を良くし、体力をつけ身体を丈夫にする働きがあります。一夜の夜尿回数や尿量が多い子どもに用いられます。

 

 

補中益気湯

胃腸をよくし、体力を回復させ、元気を取り戻すのを助けます。体の疲れや体力が弱っている時に用います。

 

 

八味地黄丸

身体の弱った機能をおぎなう漢方で、泌尿生殖器など下半身の衰えに最適です。排尿異常や膀胱の機能障害を改善し、尿量が多い人に用います。八味丸は大人には適応ですが、子どもにとっては作用が強すぎるので、子どもには六味丸を用います。

 

 

桂枝加竜骨牡蠣湯

神経の昂ぶりを鎮め、心と身体を穏やかにする漢方で、自律神経のバランスを整え、鎮静効果があります。虚弱で汗を書きやすく神経質な人や寝付きが悪く、怖い夢を見て突然泣き出したり、寝ぼける子どもに用いられます。